結婚後、何気ない会話の中で、いきなり妻の機嫌が悪くなったり、怒り出したりすることが多くなり、戸惑うという男性は多いようです。
その他、昨日までは機嫌が良かったのに、今日朝起きたら昨日とは別人のように攻撃的な性格になっていたり・・・。
これは、なにも結婚後の男女に限った話ではありません。このような事柄は、男と女が長く一緒に過ごしていくうえで、必ずぶち当たる壁みたいなものです。
なぜ妻はいきなり機嫌が悪くなったのか?
なぜ妻はいきなり怒り出したのか?
なぜ妻は日によって別人のような人格になってしまうのか?
妻である女性の“本音”と“処方箋”をきちんと事前に理解しておくことができたら、このような場面にぶち当たることは、まあ少ないでしょう。もしぶち当たった時でも、素早く適切な対応を取ることができるようになり、円満に収めることができます。
しかし、女性の本音と処方箋を理解しないまま、自己流のコミュニケーションを続けていくと、しなくてもいい夫婦喧嘩に発展したり、知らぬ間に愛想を尽かされていたり、最悪は離婚話に発展、なんてことも・・・。
というわけで今日は、そんなことにならないよう、『妻の本音と処方箋』についてお伝えしたいと思います。
1.「悩み事を打ち明けられたから解決策を言ってあげたのに、妻が不機嫌に!なぜ?」
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妻の本音「解決策なんていらないから、とにかく今は話を聞いて!共感して!労って!褒めて!」
妻が「ちょっと聞いてよ。今日、こんなことがあってね・・・。すごくショックだったの」このように悩み事を打ち明けてきたとき、「よし、俺が解決してやろう」と思う男性はとても多いです。
そして、ドヤ顔で、「そんなときはこうすればいいんだよ」と解決策やアドバイスを提示します。
しかし、せっかく良い意見を言ってあげたのに、妻が不機嫌に。挙句は「あなたはなにも分かってないからそんなことが言えるんだわ」なんて怒られたり・・・。
「まったく訳が分からない!」と頭を抱えてしまった経験、あなたにもありませんか?
女性が悩み事や愚痴を話してくるときというのは、解決策が欲しいわけではありません。ただ、自分の話をまるごと受け止めて、共感してほしいのです。
この場合の処方箋は、男性は、アドバイスマンになろうとせず、『とりあえず最後まで話を聞くこと』。そして、解決策やアドバイスではなく、労わりの言葉や、褒め言葉を送ってあげましょう。
解決策やアドバイスは、「どうしたらいいと思う?」と訊かれてからでも遅くはありません。
ちなみに、「どうしたらいいと思う?」と訊かれたとき、すぐに意見を述べるのもNGです。
まずは、「君はどうしたらいいと思ってるの?」と質問してみましょう。そうすると、意外と女性は自分なりの考えを持っており、それを述べるでしょう。
その女性の考えを「それは素晴らしいよね、さすがだね」と認めたり褒めたりすれば、女性の機嫌はさらに良くなり、あなたへの信頼感も増します。
もし、どうしてもアドバイスをしたいなら、「そうだなあ~。僕の場合だったら、こうするかな」程度にとどめておきましょう。このような押し付けがましさが一切ない言葉のほうが、実は人の心にすんなり入っていくのです。
2.「手伝おうか?と言ったら、妻が怒り出した!なぜ?」
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妻の本音「家事も育児も、全部私の仕事かのような言い草!お互いの仕事じゃないの!?」
家事や育児で妻が忙しくしているので、「手伝おうか?」と親切心で言ってみたら、すごく不機嫌な顔に豹変したり、「手伝うって、なによ!?」と怒られた、という経験があるという方も多いのではないでしょうか。
今は、共働きの時代。女性も外に出て、男性と同じように仕事をこなしています。にも関わらず、日本社会は、まだまだ「家事や育児は、女の仕事」という意識の男性はとても多いです。
この意識が、「手伝おうか?」という言葉に如実に表れていて、女心をイラっとさせるのですね。
妻は、夫に、家事や育児は「手伝う」ものではなく、「自分もやるべきこと」として意識をしてほしいのです。
特に、妻が育児中の場合は、この「手伝おうか?」は、超NGワードです。子どもは、夫婦ふたりあってこその存在です。世話や教育も、本来ならば二人で協力して行うものです。
家事はひとりでなんとかできても、育児はひとりでやろうと思うと、本当に大変です。思い通りにならないことが多く、ストレスがものすごくたまります。
この場合の処方箋は、男性は、「手伝おうか?」「手伝うよ」ではなく、自分の家庭での仕事という意識を持って、家事や育児に関わっていくこと。
もし、できることがなければ、「僕の分までいつもありがとう」と、感謝の気持ちを伝えましょう。この一言も、妻にはとても効果的な処方箋です。
3.「昨日まで機嫌良かったのに、今日はまるで別人のように攻撃的!なぜ?」
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妻の本音「ホルモンバランスの影響ですごくイライラする!何もかもが気に入らない!早くこの周期が去ってほしい!」
特に気に障るようなことをした覚えがまったくないのに、妻がすごくイライラして攻撃的になっていて困った、という経験がある男性も多いでしょう。
もしかしたらそれは、月経前症候群(PMS)かもしれません。
生理開始前、そして生理が始まって終わるまでの期間に、なんらかの不快な症状を経験する女性は、8割程度いると言われています。このPMSの代表的な症状が、『イライラ』です。
そしてこのイライラは、コントロールがほぼ不可能です。男性からすると、子どものようにイライラし当り散らす妻を見ると、つい責めたり怒ったりしたくなるかもしれませんが、そんなことをすれば火に油を注ぐだけ。
ここは黙って嵐が過ぎ去るのを待ってほしいと思います。それが一番の処方箋です。
生理前のこのコントロール不可能のイライラを一番苦痛に思っているのは、ほかならぬ女性だということを忘れないでいてほしいと思います。
生理が終わり、精神が安定したら、生理のときの妻のひどい態度を責めたり怒ったりすることなく、黙って見守ってくれていた夫に、妻は感謝と愛情を抱くでしょう。
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以上、今日は結婚後、数多くの男性が経験するであろう『妻の不可解な態度』について、そのときの妻の“本音”と“処方箋”についてお伝えしました。
このことを知っているのと知っていないのとでは、結婚生活に大きく差が出ます。今、結婚生活を送っている方はもちろん、これから結婚生活を迎える方にも、ぜひ活用していただきたいと思います。
執筆者/黄本恵子(アモーレ大学心理学科コミュニケーション学部教授)
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