愛し合い、将来を誓い合い夫婦になった二人なのに、その誓いが果たされることなく、『離婚』という道に至ってしまう夫婦は少なくありません。
統計によると、今は3組に1組の夫婦が離婚をしているそうです。
そして、離婚の原因の1位は、浮気や不倫、お金の問題ではなく、なんと『性格の不一致』です。
結婚前に過ごした時間で、相手の性格はじゅうぶんに理解して結婚したはずなのに、「相手の性格が嫌!」「私とは合わない!」となってしまうなんて、不思議だと思いませんか?
なぜこういうことが起こるのか?というと、“あばたもえくぼ”とはよく言ったもので、恋愛に夢中になっている間は、なにもかもが愛おしく感じてしまうもの。
しかし、年月が過ぎてくると、だんだん冷静になってきます。そして、相手の欠点が目につくようになってしまうのです。
相手の長所だと思っていたところさえも、欠点に見えてくる・・・ということも、よくあることです。
「相手のこんなところが好き!」で結婚したはずなのに、そんなところがいつの間にか「大嫌い!」になってしまう・・・、これは、実はどんな夫婦でも起こりうることなのです。
“物事には、必ず2つ以上の見方がある”のですが、恋愛をしているときは1つの方向からしか見ていない、見えていないのですね。
たとえば、「おおらかな人」は、別の見方をすると、「のんびり屋」と言えます。
「意志が強い人」は、別の見方をすると、「頑固」と言えます。
「計画性がある」ということは、別の見方をすると、「行動力や実行力が足らない」と言えるかもしれません。
この“物事には、必ず2つ以上の見方がある”という考え方を知っておくことは、人と長く付き合っていく上で、とても大切です。
将来を考えている相手がいるなら、「自分はその相手のどんなところが好きで、その好きなところは別の見方をしたら、どう言えるか?」を考えてみると、本当に自分に合っている相手かどうかがわかりますし、将来的にどんなことで自分たちが悩むかが予想できます。
また、今まさに性格の不一致で悩んでいる夫婦の場合なら、「相手の嫌で嫌で仕方ない部分を別の角度で見てみたら、それは実は○○という長所があるということだった!」ということに気づき、無駄な争いを避けることができるようになります。
どれだけ素晴らしいと思う人と結婚しても、欠点が浮き彫りになる瞬間、相手と合わないと感じる瞬間というのは、必ず訪れます。
そんなとき、「なんでこの人はこうなんだろう・・・」「この人とはやっぱり合わない・・・」「この結婚は間違いだった・・・」とモヤモヤ悩んで、離婚を考えてしまうのは、もったいないことのように感じます。
別の見方で捉えてみると、それは案外素晴らしいことに繋がっているのです。
このように多面的に考えることができる人が増えると、夫婦喧嘩や、性格の不一致で離婚してしまう夫婦が減るのではないかと思います。
執筆者/黄本恵子(アモーレ大学心理学科コミュニケーション学部教授)
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