“絶食系男子”をご存知でしょうか?
絶食系男子とは、恋愛や結婚に興味を持たない男性のことを指します。
“草食系男子”の場合、女性に消極的だったり、臆病なだけで、恋愛や結婚に関してまったく興味がないというわけではありません。恋愛をしたいという願望、そして「いい女性が現れたら結婚してみたい」という願望も、ひそかにあります。
しかし、絶食系男子は、そんな願望がまったく『ない』のです。
私は最近、絶食系男子と知り合う機会を得ました。とある飲食店の店主・K氏(39歳)です。
今日は、そんな絶食系男子のK氏に、恋愛や結婚についていろいろ聞いてみる機会があったので、ご紹介します。
■リアル絶食系男子・K氏の「恋愛事情」
K氏が営む飲食店は、カウンターがメインのイタリアンのお店。特にパスタが好評です。
基本的にはK氏が一人でやりくりしており、どうしても手が回らないときはヘルプでアルバイトを雇います。
様々なイベントも開催し、2年以上毎日ブログで自分にまつわるさまざまな情報を発信し続け、オンラインサロンも開設しています。ファンも多く、連日たくさんの人が店に訪れます。
精力的に活動するK氏ですが、恋愛にはまったく興味がないそうです。
女性と付き合うことはありますが、自分からアプローチをかけていったことはありません。
特定の女性に対して魅力を感じることや、ステキだなと思うことはあっても、「アプローチをしよう」と思ったことはないと言います。
K氏が恋愛に興味を持たない、持てない理由は、いったいなんなのでしょう?
K氏「若い頃からずっと、恋愛より面白いものが身近にあったのが大きいです。
そして、女性に対して執着心というか、独占したいという欲求を持ったことがありません。
それでも女性とお付き合いはしましたが、嫉妬心が引き起こす揉め事や、自分の勝手な欲望で相手を傷つけるといったデメリットのほうが、愛することで得られるメリットより大きいと認識してから、シャットアウトしました。
自分は『楽しい』を増やすより、『悲しい』を減らしたい。消極的な人間です、本当に(笑)。」
■リアル絶食系男子・K氏が考える「結婚」とは?
K氏は現在39歳。一般的な男性は、この年で独身だと、結婚を焦る人は多いでしょう。しかし、K氏は、結婚願望も一切ありません。
K氏は結婚について、以下のように考えています。
K氏「たとえば『好きだから結婚する』として、『好き』の維持に結婚は必要ないと思っています。だから、僕は結婚することに意義や意味を特に感じません。
あと、結婚は、僕にとって、ひとつの『事業(プロジェクト)』というイメージです。結婚して家庭生活を営むというのは、そこそこ大きく、そして大変な事業です。僕はその事業にかける熱意はない。今やっている仕事に全力を注ぎたいです。」
とはいえ、「この年で独身だと世間に変に思われないか?」「そろそろ結婚しないと世間体的にマズイのではないか?」など、世間体が気になったりはしないのでしょうか?
K氏は、「世間体はひとつも気にならないし、気にしたことがない」と言います。
また、「他人の、独身か・既婚か・バツイチか、なども心底どうでもいい」とのこと。
K氏を含め、絶食系男子は、世間体を気にする人は少なそうです。
「他人がどう思うか?」という『他人軸』ではなく、「自分がどうしたいか?」「自分がどう思うか?」という『自分軸』で生きている人が多いのでしょう。
K氏は「子どもがほしい」と思ったこともないそうです。
■絶食系男子に「性欲」はある?
K氏のお話をお伺いしていくうちに、私にはどうしても聞いてみたいことが出てきました。
それは、『性欲』についてです。
性欲の強い、弱いは個人差があるでしょうが、まったくない男性などいないのではないかと思うのです。
恋愛にも結婚にもまったく興味がない絶食系男子は、性欲についてはどのように対応しているのでしょうか?そもそも性欲はあるのでしょうか?
K氏「僕個人の話で言えば、性欲はあります。そして、性的な関係を持つパートナーはいます。それもかなり長く。特定の女性です。
でも、もしそのパートナーがいなかったとしても、問題ないと思います。
人間の三大欲求のうち、食欲・睡眠欲のほうが強いと思うので。
とにかく睡眠欲が僕は我慢できなくて、デート中でも寝ます(笑)。」
K氏の場合、性欲はそれなりにあるけれど、重要視をしていないということですね。
性欲を満たすことを重要視しない…それは絶食系男子の大きな特徴のような気がします。
ちなみに、そのパートナーの女性からは、結婚を求められたり、「子どもがほしい」と言われることはないのでしょうか?
K氏「ありません。そういう関係になる前に、はっきり自分の考えを強めに伝えているので。」
■絶食系男子が「魅力を感じる女性」とは?
K氏は、女性から好意をアピールされることに関しては、どういう感覚を持つのでしょうか?
K氏「僕は『好き=応援』と捉えるので、素直に嬉しいですね。ただ、人前でベタベタされたりするのは、空気がしんどいので嫌です。」
K氏を含め、絶食系男子をパートナーに持つ場合、どういった接し方を意識するといいと思いますか?
K氏「仕事を邪魔しない、趣味を邪魔しない、1人の時間を邪魔しない。
逆に、
仕事を助ける、趣味をしやすくする、1人の時間を作ってくれると、めちゃくちゃ嬉しいです。」
***
絶食系男子は、人によっては『宇宙人』のような存在に思えるかもしれません。
私はK氏とお話を伺って、未知の世界を体験させてもらった気持ちになりました。
絶食系男子は、男女のパートナーシップに関して、世間一般の『常識』、そしてこれまで自分が抱いてきた恋愛や結婚に関しての『価値観』の見直しを迫る存在のようにも感じます。
もし絶食系男子を好きになった場合は、今回のK氏のお話を参考にコミュニケーションを取ってみてください。
執筆者/黄本恵子(アモーレ大学心理学部コミュニケーション学科教授)
3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。主に家族間(夫、子ども、姑、実家)のコミュニケーションの改善や人間関係の悩みを解決するコラムを執筆している。〔ブログ〕
2018年6月2日、『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)に出演。
2018年8月16日、『ビビット』(TBS系)に出演。
・米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー
・一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター 認定シニアカウンセラー
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