35歳を過ぎ、『アラフォー』と呼ばれる世代になってくると、結婚への焦りが本格化してくる女性は少なくないでしょう。
35歳の独身女性が結婚できる確率は、東大合格より3倍以上難しい、なんていう説もあります。
また、問題は結婚だけにとどまらず、子作りにもかかわってきます。35歳以上の出産は『高齢出産』と定義されていますし、妊娠率は、やはり年齢とともに下がってきます。
「私はもう一生結婚できないのでは・・・」
「家族(子ども)を持てないのでは・・・」
と本気で落ち込んでいる女性、あるいはもう諦めの境地に入っている女性もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「落ち込むのは、諦めるのは、まだ早い」と、私はお伝えしたい。
私の身近には、37歳で6つ年下の彼氏をゲットして、その後、38歳で結婚→妊娠とトントン拍子で幸せを手に入れたA子という女性がいます。
今日は、その女性A子の、結婚にいたるまでのお話を紹介します。
20歳を過ぎてからアラフォーまでマトモに彼氏がいないA子のスペック
A子は、関西では高学歴とされる某有名私立大学出身。現在は、某有名一部上場企業に勤めており、年収は700万円以上。身長160㎝。30歳を過ぎてから親元を離れ、一人暮らしを始めました。
趣味は読書(漫画から歴史小説まで)とショッピング。オシャレでとてもかわいい女性です。
そんなどこに出しても恥ずかしくないA子ですが、なんとびっくりすることに、彼女は20歳を過ぎてから、37歳になるまで、マトモに彼氏がいませんでした。
言い寄ってくる男性は多数いたものの、どれも好きにはなれず、逆に好きになった相手は彼女持ちだったり、既婚者だったり・・・。
同い年の友人や後輩がどんどん結婚・出産していく中、仕事のキャリアだけが、順調に積みあがっていきました。
A子の転機
「このままでは、やばい。現状打破したい。いや、しなければ」
そうA子が真剣に思ったのは、37歳を少し過ぎたころでした。
仕事に関してもストレスが強くかかり、胃炎を繰り返していました。
悶々とした気持ちを抱えながら過ごしていたある日、友人がLINEのタイムラインでシェアしていたある情報が目に留まります。
それは、ある心理学のセミナーの宣伝でした。『NLP』という、アメリカで1970年代に生まれた心理学です。
人間関係の修復や、目標の実現、悩みの解決ができる、と書かれてありました。
わりかし高額なセミナーでしたが、“人生を激変させる”という文言に魅かれて、また、信頼している友人がシェアしている情報だったということもあり、A子は悩んだ末、決心をしました。
今まで心理学を学んだことも、社外のセミナーや勉強会に参加したことも一切ないのに、そのセミナーに申し込んだのです。
これが、A子の人生を本当に激変させるきっかけとなったのです。
A子、初めてSNSをする。そして、恋愛・結婚マッチングアプリに登録する。
A子は、今まで、SNSとは無縁の生活を送っていました。
「Facebookのアカウントって持ってないの~?」と何人かの友人や、合コンで知り合った男性から言われましたが、Facebookなどやるつもりは一切ありませんでした。
「どうせFacebookなんて、リア充の人が自分のリア充ぶりをひけらかしている場でしょ。そんなの非リア充街道まっしぐらのアラフォー独身女の私には必要ない」・・・そんな風に思っていたのです。また、他人の幸せな投稿を目の当たりにする心の余裕が、A子にはありませんでした。
しかし、その心理学の講座を受けるには、Facebookへの登録が必要だといいます。Facebookでグループを作成し、参加者で情報交換や交流を深めるためです。
しぶしぶ、Facebookに登録しました。
心理学の講座では、人の心を掴む心理テクニックについて知ると同時に、自分の考え方や行動パターン(癖)についても、よく知れました。
20歳を過ぎてからマトモに彼氏ができなかったのも、自分の考え方や行動パターンに原因があることが分かってきました。
まず、A子は、報われない・実りない恋愛の数々がそうさせたのか、生まれつきそういう性質なのか、とてもネガティブ思考でした。
同じ独身の友人や後輩の女性に誘われて、合コンに参加したり、某有名結婚相談所に登録をして、婚活パーティに参加したことも、2~3度ありました。
しかし、「タイプだな」「かっこいいな」と思った男性がいても、自分からアプローチをかけていくことはありませんでした。
「どうせ私なんて・・・」という思い込みから、男性側から話しかけられても、積極的にコミュニケーションを取っていなかったのです。
心理学のセミナー後に毎回行われる懇親会(飲み会)では、講師の先生に今流行りの恋愛・結婚マッチングアプリへの登録を勧められました。
彼氏が長年できなかったのは自分に原因があったことに気づいたとはいえ、正直、恋愛・結婚マッチングアプリに登録することは、Facebookへの登録さえもかなり躊躇していたA子にとっては、かなり心理的抵抗がありました。
しかし、「たかだか2~3回、婚活パーティに参加したぐらいで『結婚相手が見つからない』『どうせ私なんて』と嘆くのは、早すぎる!私の友人の女性は、このアプリに登録して、100人の男性とお茶やデートした。その100人の中の一人が、今の結婚相手なんだよ」という先生の言葉に押され、その場で登録する運びになったのです。
そして訪れる、運命の出逢いとは?
最初は、恋愛・婚活マッチングアプリへの参加に乗り気じゃなかったものの、「確かに今のままだと、会社と家の往復でなにも変わらない。前向きにいろんな男性と会ってみるのもいいかもしれないな」と思い直しました。
A子の運命の出逢いは、思いのほか、早くに訪れました。
なんと、恋愛・結婚マッチングアプリに参加して、1人目に出逢った男性が、運命の人だったのです。
彼とは、読書(主に漫画)の好みが一致し、意気投合しました。
6歳年下の彼は、一部上場企業に勤める会社員。イケメンとは言えないものの、かわいらしい顔をした、穏やかな性格の男性でした。
3回目のデートのとき、交際を申し込まれました。
「まだアプリに登録したばかりで、1人目に出逢った男性で決断していいものかどうか・・・。もっと他の男性と比べて吟味したほうがいいのか・・・」少し迷いはありましたが、彼とは最初からとても気が合いましたし、付き合うことに決めました。
A子にとって、17年ぶりの彼氏の誕生です。
ユニバーサルスタジオジャパン、映画、紅葉狩り、ピクニック・・・と、デートを重ねていく2人。
プロポーズは、知り合って約一年後、A子の38歳の誕生日でした。
ちょっといいレストランで食事をしている最中に、「結婚してください」という彼からのプロポーズ。A子に迷いはありませんでした。
結婚準備を進めている途中、妊娠も判明。
A子は、結婚と妊娠、2つの幸せをいっぺん手にしたのです。
***
A子は、私の身近な友人です。
A子の結婚に至るまでの経緯をすぐそばで目にしてきて、「これはどこかで記事化したい」とずっと思っていました。
A子が結婚・妊娠とダブルで幸せをゲットできた要因は、次の3つにあると私は思います。
・「自分を変える」「人生を変える」ために自己投資したこと
・自分の考え方や行動のパターンに気づけたこと
・自分を別の世界へ引っ張ってくれる『おせっかい』な人間に出会ったこと
この中の1つがあるだけでも人生を変えるきっかけに充分なり得ますが、A子の場合はこの3つが連動して起こりました。
まず、自分の人生を変えるために自己投資をしたことで、男性とのコミュニケーションに対してのマイナスパターンに気づくことができました。
そして、自己投資をしたことで、自分を今までとは違う、別の世界へ引っ張って行ってくれる『おせっかい』な人間に出会うことができました。恋愛・婚活マッチングアプリへの登録を促してくれた(というよりなかば強引に登録させられた)心理学のセミナーの先生です。
人生のステージは、それまでと同じ場所で、それまでと同じ人たちと接していても、なにも変わりません。
人生のステージを変えるには、それまでとまったく違う場所に飛び込み、まったく違う人たちと接することが、必須に思います。そう、A子のように。
A子の経験が、恋愛や結婚に関する悩みを持つ女性にとってなにかを変えるきっかけになれば幸いです。
執筆者/黄本恵子(アモーレ大学心理学部コミュニケーション学科教授)
3万人を超える人の悩みを解決するコーチ&カウンセラーとして活躍。 2010年、その経験を活かしてコミュニケーション心理スキルを紹介する、コミュニケーションライターとして独立。主に家族間(夫、子ども、姑、実家)のコミュニケーションの改善や人間関係の悩みを解決するコラムを執筆している。〔ブログ〕
2018年6月2日、『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)に出演。
2018年8月16日、『ビビット』(TBS系)に出演。
・米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー
・一般社団法人日本聴き方協会認定シニアインストラクター・認定シニアカウンセラー
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